ただ今「飛行機の重量計算」について飛行機の教官がためになる情報をシリーズでお届けしています。ぜひお読みください。
飛行する前の「飛行機の重量計算」とは(その3)
これまで、飛行機の重量として「自重」又は「基本重量」について説明してきましたが、今回は「運航重量」、「有償荷重」、「ゼロ燃料重量」について説明します。
まず「運航重量」とは、飛行機を動かすのに必要な重量のことで、これまでの「基本重量」に操縦士などの乗務員や必要な書類の重量を加えたものをいいます。
次に「有償荷重」はペイロードと呼ばれ、乗客及びその手荷物、貨物、郵便物など、航空会社にとっては、輸送料として収入の対象になるものをいいます。
これは、必ずしも収入を得た対象の乗客などというわけではなく、無償の場合であっても輸送の対象として運ぶ場合には、すべてが「有償荷重」となります。
「ゼロ燃料重量」とは、「基本重量」に「有償荷重」を加えた重量をいいます。
すなわち、燃料をゼロにした時の重量のことです。
飛行機が飛行を続けるにつれて搭載した燃料は消費され、それにつれて飛行機全体の重心の位置もだんだん変化していきます。
「ゼロ燃料重量」により、燃料が空になっても重心位置が所定の範囲内にとどまっているかを確認することができます。
また、設計上の問題として「最大ゼロ燃料重量」があり、これは燃料タンクが主翼の中にあることが多く、燃料が空になった時に主翼が胴体の付根にかかる曲げの力に対応する強度が考慮されています。
(その4に続く)
今後の予定は、
4回目は「総重量」、「最大離陸重量」
5回目は「許容最大離陸重量(AGTOW)」と続きます。ぜひお楽しみください。
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