R66シリーズ(その5)FUELコントロール
さあ、いよいよR66の心臓部、エンジンを駆動させるための燃料コントロールについて説明していきましょう。 ピストンエンジンの燃料コントロールは、キャブレターやインジェクションにより流入空気量に応じた燃料をシリンダーに送ってエンジンを駆動しています。すなわち、スロットルとコレクティブの使用量に応じた燃料をシリンダーに供給しています。
このRR300エンジンは、コンプレッサーの圧縮空気を使用した圧力差によって燃料の量を調整するニューマチック方式を採用しています。 主要構成品は、GPFC(ガスプロデューサー・フューエルコントロール)、PTG(パワータービン・ガバナー)、燃料ポンプ、燃料ノズルからなります。
燃料コントロール系統
簡単に説明すると、コンプレッサー圧力を2つのラインに分けて、その圧力差を利用して、燃料バルブを開けたり閉めたりして燃料の量を調整しています。 エンジン始動時は、GPFCがコントロールし、飛行中は、PTGがローター回転を維持するように機能します。コレクティブを上げるとPTGのドループコンペンセーターが機能して燃料量を増やしてローター回転を維持しています。
R22、R44もガバナーを装備していて、ローター回転を維持するようにガバナーがスロットルを開閉してキャブレターやインジェクションを動かして燃料量を調整しながらローター回転を維持しています。
GPFCの中身を少しだけかじってみましょうか。
操縦士が、スタータースイッチを押すと、スターターが作動し、N1の回転数が上昇し、PC圧(コンプレッサーの圧力)も上昇します。 PC圧が上昇すると、PC圧はGPFCに流れ、PC−PYブリード、PC−PXブリード、スターターデリッチメントバルブのベロ−内部に流れます。 PY圧はガバナベローズの外側に、PX圧はガバナーベローズの内側及びアクセレーションベローズの外側に加わります。このとき、まだ圧力が低いのでPY室のエアーはバルブを通り大気に流れます。N1 18%でフューエルカットオフバルブをONにします。
もっとこのGPFCやPTGの動きを細かく知りたい方は、是非アルファーアビエィションに来て下さい!
次回は「燃料系統」について説明します。お楽しみに。 飛行機免許、ヘリコプター免許にご興味のある方はアルファーアビエィションまでお気軽にお問い合わせください。